夏休みショートステイin信楽2013に参加された方の声 6
放射能からの影響を少なくしたい、自然の中で子供を思いっきり遊ばせたい、地元のものを食べさせたい、そんな思いで保養に参加させていただきました。四季折々の自然を身近に感じ、それを子供に伝えてきました。しかし、一番大切な水、空気、土が汚染されてしまい、なるべく被ばくを避けるために気を使いながらの生活をしなければなりません。残念ながら子供にも制限せざるをえません。
私が住んでいる東京は、空間線量から見れば今は事故前と変わらず大丈夫だと思ってしまいますが、東京にも放射性物質が降り、それが土に含まれているのです。東京都健康安全研究センターの調べによると、土壌中のセシウム合計が790ベクレル/kg[同センター内敷地(新宿区)平成24年]になっています。事故前では2~4ベクレル/kgでした。この値が健康にどのような影響を与える私には分かりませんが、事故前に比べて何百倍にもなっている中で、子供を遊ばせたいとは思えません。落ち葉が集まっている吹き溜まり、オタマジャクシやザリガニ釣りをする川辺、公園や泥んこ遊びなど子供が楽しいところほど、放射性物質が集まって濃縮しています。雨水が流れ込んだり、たまったりしてセシウムが濃縮しています。校庭での土埃など、呼吸による内部被ばくの影響も心配します。
少しの時間なら大丈夫では、少しぐらい食べ物に含まれていても大丈夫ではと思われるかもしれません。でも放射線はDNAを傷つけます。それが元通りに修復されれば問題がないのかもしれませんが、間違って修復されそのDNAが増えれば病気になる可能性があります。細胞分裂が活発な子供が影響を受けやすいと言われています。少しずつ少しずつ被ばくして傷ついていく。だから親にとっては出来る限り日々の被ばくを減らしたいため、遊ぶところも食べ物も制限し、風が強い日はマスクを子供にさせます。
信楽での保養では、自然がとても豊かで川遊びに何度も行き、思いっきり子供が遊ぶことができました。川に潜って魚の群れを発見した時の子供の喜びの顔は今でも忘れられません。ほようでは放射能を気にすることなく自然の中でめいっぱい遊ぶことができました。
また、農家の方たちのご厚意でたくさんのお野菜やお米などを頂きました。ありがとうございます。その季節にとれる野菜を地元で頂く、そんな当たり前のことがとても幸せでした。野菜を作っている方の顔が見える、そういう地域のつながりの中で生活をしていたことが壊れてしまいました。子供の健康の影響を考え、野菜やお米も遠いところから買っています。
事故直後の初期被ばくの影響、日々の内部被ばくによる健康への影響を考え、子供には定期的に検査をしています。どういう影響がでるかわからないから検査をし、保養を続けていく必要があると思っています。
保養を企画していただいたなちゅらる・ままさん、多くのボランティアさん、野菜やお米を提供してくださった農家の方たち、本当にありがとうございました。そして住む場所を提供していただいた社会福祉法人しがらき会様、とてもきれいな施設で、子供は芝生や中庭でも靴をはかずに裸足で遊んでいました。広い食堂も提供していただき、子供たち親たちの交流の場として大変有意義に過ごすことができました。本当にありがとうございました。
東京都在住 母
関連記事